看護助手として働くことに興味を持っている人の中には、「どんな仕事か分からずに不安」と考えている人が多いようです。
そんな人のために、本記事では看護助手として実際に勤務された体験談をご紹介していきます。
- 年齢:37歳
- 保有資格:介護福祉士
- 配属:透析病棟
- 経歴:18歳から介護福祉士として高齢者施設で12年勤務後、看護助手へ転職。
介護福祉士の経験を経て看護助手へ転職
私は、中学生の時に地元の特別養護老人ホームへ訪問する機会があり、そこで高齢者の方と触れ合い、自分にも何か出来ることはあるんじゃないかと思い介護の道に進みました。
早く家を出て独り立ちをしたかったことや、祖母と同居しており介護が必要になった際に自分が役に立てるのではないかとも思いました。中学を卒業後、福祉科のある高校に入学しました。
高校卒業と共に介護福祉士の資格をとり、介護老人保健施設に12年ほど働きその後、結婚や出産後に病院に2年程勤めました。
看護助手という仕事を元々は知らなかった
介護福祉士としてずっと働いていましたが、看護助手という仕事があるとは正直知りませんでした。
介護施設に勤めていた頃に同僚が病院に転属になり、そこではじめて、介護福祉士も病院で働けることを知りました。その時は、看護助手として将来働こうとは考えていませんでした。
結婚や引っ越し出産をして、子育ても落ち着いてきたから働こうと思ってい仕事を探そうと思い動きました。ですが、5年のブランクもあり子育てしながらの介護施設での仕事ができるか不安もありました。
介護施設は、その施設で業務内容や勤務時間が違い、残業も多く子育てをしながら、介護福祉士として働けるか悩んでいて、求人がみつからない状態でした。病院で働くということを視野にいれるようになりました。
最初は、ブランクもあるし病院で働いたこともないので働けるのか不安でしたが、介護施設で働いている時に、様々な身体状況の高齢者の方たちと関わってきた経験と、看護師の職員の方と連携して毎日働いていたこともあり、自分も病院で働けるかもしれないと思い看護助手に進もうと動きだしました。
介護施設の求人が見つからず困っていた
結婚後、引っ越し出産をして子育ても落ち着いてきて、そろそろ働きたいと思い仕事を探していました。
5年程ブランクが空いてしまっていたことや、保育園も探したりしなければならないというところで挫けそうになることもありました。最初は、介護施設での就職先を探していましたが、勤務時間が長かったり、残業なども多く子供を育てながら働くということに不安がありながらの仕事探しでした。
そこで、子供の保育園が併設されているところ、日勤のみで働ける場所を探しました。
求人サイトに登録すると、担当のキャリアアドバイザーの方から施設を数か所紹介されましたが条件が合わずにいました。そこで、担当の方に看護助手はどうかという提案をされて、看護助手で探すことにすると条件の合う病院があり紹介してもらうことになりました。それが、循環器内科の病院でした。
面談の日程もすぐに決まり、看護部長に病院内を案内されました。施設と違い沢山の人が働いていて驚いたのを覚えています。
面談では、介護福祉士を今後増やしていき地域の高齢者の方々に寄り添う病院にしたいとことを話されていました。子育中であることや夜勤は難しいことなどを事前に面談で話しましたが、すぐに採用の連絡がいただくことが出来ました。
循環器内科の高齢者が多いフロアで勤務開始
看護助手になってからの仕事は、循環器内科の療養棟の配属になりました。
透析が必要な方で、高齢者の方が多いフロアで働くことになりました。身体介助は特に体の負担が大きく、自分の腰を傷めないように気を使っていました。
食事の介助では、自力で食べられる方と自力では難しい方がいたので、口に運ぶお手伝いもしていました。
おむつ交換も、決まった時間や患者さんの訴えた際に交換をしていました。体が大きい患者さんや、状態の悪い患者さんは一人では介助せずに二人で行なうようにしていました。その時に、皮膚の観察を必ずしていました。変化あれば看護師に報告して指示をうけています。
淡がでる患者さんも多く、サクション器具の点検交換や消毒もしていました。血液などが付いた物を捨てるゴミ箱があり、そのゴミ箱の設置や交換などもしていました。
環境整備として、ベッド周りの拭き掃除、床頭台の点検、病室に必要な物品の補充もしていました。ナースコールが手の届く場所にあるかや、手すりはしっかり設置されているかなど安全に過ごせるように確認もしてしました。
入浴日であれば、入浴介助では機会浴や一般の家にお風呂のような湯舟に入れる方の介助をしていました。機会浴に入る方は寝たきりの方も必ず二人での洗体が必要でした。透析患者の方は、首元や足などに透析の管があり患者さんの処置が必要になるので必ず看護師頼むことをしていました。
入退院の準備や片付けは一人では行なえないことが多く、他の看護助手との連携が必要でした。透析患者の方の透析室への移送では、車椅子に一人で乗ることもできない方もいて、リクライニング車椅子に看護師も協力して移送を行なっていました。
透析が必要で認知症の症状がある方は管を間違えて抜いてしまうことの可能性が高く管の観察が必要でした。
認知症の方がいて、落ち着かない方の話し相手などその患者にあう対応を取れるように看護師と対応もしていました。小さな変化を見落とさないように看護助手の中でも情報を共有することをしていました。他にも、手洗い場の掃除、経管栄養のボトルの消毒、タオルたたみ、タオル補充、届いたリネン類を棚に戻す、看護士の処置カートへの物品補充、入院の準備、退院の片付け、滅菌機材の管理、ナースコールの対応、リネン交換などもしていました。
看護助手は判断力と体力が求められる仕事
最初は、看護助手は軽介助を主にすると思っていました。病院に入ってみて自分の時間管理をしながらナースコール対応して日常業務をこなす他に、入退院が急に決まるなど判断力と体力が必要だと感じました。また、病院内の雑用がとても多く病院内を動き回り足がぱんぱんになってしまうこともありました。急変時の対応で必要な器具や場所などをしっかり覚えられていないと、いざ状態が急変したときに(特に夜)わかりませんといったことにならないために医療用語や医療器具を覚えることが大変でした。
他にも、看護助手は看護士との連携が密に取れていると思っていましたが、看護士が知っている情報が看護助手が知らないなど困ることもありました。例えば、入院の日時が変更になって早まったなど、急遽の変更では特に起こりやすいように感じました。
療養棟のためか、高齢者施設とほぼ変わら看護士の介助量が多くみられました。看護士がベッドサイドでゆっくり患者の話を聞いてあげていること少なく、看護助手はそんな看護士の患者との時間を取れる用意するのも仕事なんだと思いました。
患者さんからの言葉がやりがいに
看護助手として毎日忙しい日々を送っていると、体も心も疲弊することがありますが、やりがいもありました。
ひとつは、患者さんのとの日常の関りの中で、患者の小さな訴えや体の変化にいち早く気づくことが出来たときに、自分がとても役立てたと感じました。患者さんに近い状態で接することが多いので、何気ない会話を大事にしたり挨拶を笑顔でするだけで、患者さんは喜んでいれて、患者さんから「安心する」という言葉をもらったときは働いてよかったとも思いました。
看護助手の中でも、病院しか働いたことがないという人もいて、介護施設で働いていたことの経験をしていたので、もっと楽な介助方法を教えたりもしていました。勉強を続けていれば教えられる立場にもなれるということがわかりました。
日々、時間に追われることの中で看護助手として、役割がふられている中で更に、看護助手同士で協力して、一日をやり通した時にとても達成感ややりがいを感じました。また、看護士とも連携して一日を安全に患者の様子を観察や対応をどうやって組み立てていくことができるかを考えながら仕事をすることにもやりがいを感じていました。